ドンジュが、ト院長から手渡された封筒の中を見ると、死亡診断書であった。死因は「病死」、担当医欄にはドンジュの名前が書いてある。ドンジュは院長に聞く。「これは何ですか?」「君はサインしてくれればいい」ドンジュは苦笑しながら「この患者はまだ生きています。それに病死とは?」憲兵隊の男が言う。「軍の医療記録では憩室のため治療中です」(要するに病気だったと言いたい訳だ)
ドンジュはハッキリと否定する。「憩室ではなく外傷による腸穿孔です」院長は「脱走兵だぞ。暴力を受けて死ねば面倒なことになると思わないか?罪のない中間管理職がクビにされるんだ」ドンジュは何を言ってるんだと言わんばかりに唖然とする。「僕に嘘をつけと言うんですか?」院長の執拗な要求にドンジュは抵抗する。「真実よりも沈黙が勝る時もあるんだよ」と言う院長の言葉に、「今の話は聞かなかったことにします」とドンジュは部屋を出ようとする。それでも院長は、ドンジュに死亡診断書を持たせて説得しようとする。
と、そこへキム・サブが部屋へ入って来て「どういうことだ。ここで何をしている?」と怪訝そうな顔で聞く。その場が凍りつく。ドンジュは硬い表情で部屋を出て行く。
ドンジュは自分の部屋に戻り、死亡診断書をゴミ箱に叩き捨てる。
負傷兵の両親が病院に駆け付ける。我が子の悲惨な姿を見て泣きむせぶなかで、容体が急変する。心肺停止したのだ。ドンジュも呼び出され駆け付ける。
ゴミ箱から死亡診断書を見つけるキム・サブ。
ドンジュの懸命の救命措置にも関わらず、負傷兵は亡くなった。待合室では、憲兵隊の男が亡くなった兵士の両親にお悔やみの言葉を述べている。「このようなことになり残念です」去ろうとする憲兵に亡くなった兵士の友人が叫ぶ。「殺されたんだ。上官3人から体罰を受けていた。そのせいで脱走して死ぬ羽目になった。主治医も言っていた」驚いた両親は聞いた。「その主治医はどこにいるんだ?」そばにいたソジョンが言った。「案内します」
部屋では、外科長がしつこくドンジュを説得している。そこへソジョンが入ってきて「亡くなった兵士の両親が主治医(ドンジュ)と話がしたいと言っています」と告げた。両親が部屋に入ってくる。父親がドンジュに聞く。「息子は暴行を受けていたとか?」憲兵が後ろで睨みを効かせている。両親は必死にドンジュに聞く。「先生が知っていることを話してください」しかし、考え込んだドンジュは「もう少し検討したいんです。軍病院の医療記録を確認します。時間がかかりそうです」天を仰ぐ両親。
「気分転換に外に出る」と言ったドンジュにソジョンが詰め寄る。「なぜ事実を伝えないの?」「疲れたから話は後で」と言い残したドンジュはト院長から贈られた車のキーを取りかけたが躊躇し、机の上に放り出して外出する。その車を横目に見ながら病院を出るドンジュ。(ト院長のやり方に納得できないが、気持ちが整理できないドンジュ)
ドンジュが行った先は、フリーの麻酔医のナム・ドイルの食堂。奥の席にはキム・サブが座っていた。引き返そうとするドンジュをナムは引き留めた。そこへ母親からの電話。どうやらドンジュに会いに近くまで来ているようだが、ドンジュは電話に出ない。キム・サブはドンジュの向かいに座り、焼酎を注ぐ。「俺のおごりだ。飲め」ドンジュが飲むと、また注ぐ。お互いに注ぎ合いながら飲み比べになった。(医者が8本も!?(笑))
ドンジュが聞く。「いつ気付きました?昔、病院で暴れた奴だと」
キム・サブも聞く。「なぜ医者になった?」「先生は言いましたよね。復讐したいなら実力で見返せと。僕は無力じゃないと証明したかった。バカにする奴を黙らせてやりたかった」
キム・サブは言う。「おまえが選んだ道は連中と何も変わらんぞ」
ドンジュ「そこで終わるんじゃありません。登りつめてこそト院長と戦えるんです」
キム・サブ「そのためにプライドを捨てるのか?それがお前にとって成功と言えるのか?」
ドンジュ「権力者に取り入られなければ何者にもなれません」
キム・サブ「お前の場合、良心ではなく自分の欲が痛むんだろ。現実と理想の狭間で抱えるジレンマなら俺にも分かる。でも、人の命を預かる外科医なら命くらい重い責任を背負っていかなきゃならない」キム・サブの言葉にそうかも知れないと考え込むドンジュ。
キム・サブは死んだ兵士の手術映像が記録されたメモリーを手渡す。「あとは任せる。それをどうしようと構わない。お前の責任だ」キム・サブはそう言い残して出て行った。
場面は代わり、ドンジュのお母さんがトルダム病院に現れた。母親を案内する医事課長が廊下でソジョンと出くわした。酔い潰れたドンジュを迎えに行くというのだ。「カン・ドンジュのバカが飲み過ぎて倒れたって、面倒なんだから」母親の前で散々ドンジュの悪口を叩いたソジョンは眼の前の女性がドンジュの母だと知り、バツが悪そうに挨拶する。
ドンジュの部屋でソジョンと母親が話していると、ドンジュが帰ってきた。かなり酔っ払って、その勢いでソジョンに抱きつく。みんなが啞然としているなかで、「僕は先輩が大好きなんです」と告白してキスをしようとする。寸前のところで突き飛ばされたドンジュ。(笑)みんなは啞然と口を開いて見ている。
翌朝、キム・サブが病院に出勤してきた。すると、玄関に貼り紙が・・・。ドンジュの写真とともに、「カン・ドンジュは人殺しだ」の文字が印刷されている。このチラシは病院中に貼られていた。スタッフが全部剥がしたはずなのに、また多くのチラシが・・・。ソジョンが剥がしていると、女が黙々とチラシを貼っている。「警察を呼びますよ」ソジョンが言うと、女は「ご自由にどうぞ。あの医者が辞めるまでずっと続けるから」
そこにドンジュが来て聞いた。「なぜこんな物を貼るんですか?」
女は「先生が私の父を殺した。元国会議長のために父の手術を後回しにしたわ」ドンジュは思い出した。コサン病院の時の出来事だ。実はドンジュもそのことがずっと気になっていたのだ。「先に決まっていた手術をなぜ後回しに?人の命を差別するなんて間違っている。医者がそんなことをしていいの?」女に言われて、ドンジュの脳裏には、かつて自分が、理不尽な病院の対応に怒ってバットを振り回す姿が・・・。ドンジュは自分がされたのと同じことを、この女の父親にしてしまったのだ。このやり取りを物陰で見たドンジュの母親。(何という展開・・・韓ドラらしい(笑))
院長室では、院長ほか主要スタッフがこのチラシの対策会議をしていた。キム・サブは「周りの者が解決に乗り出せば本人の為になりません」
院内では、女が手渡しでチラシを配っている。
ドンジュはパソコンを前にして、兵士の死亡診断書のことで迷っている。
ドンジュはソジョンに言った。「事実が常に正しいと?」
ソジョンは「あなたが嘘の死亡診断書を書いたら、心から軽蔑する」
病院のロビーに警察が来て、チラシを撒いている女を取り押さえようとしている。その拍子にチラシが床に飛び散った。女がチラシを拾っていると、それを手伝う人がいる。その人は女に「ごめんなさい」と言った。その人とは、ドンジュの母親である。
「カン・ドンジュは私の息子です。息子は重大な罪を犯しました。すべては母親である私の責任です」そばに居たドンジュは居たたまれなくなり、母親のそばに行く。「あなたも誤りなさい。父さんのことを忘れたの?あなたが同じことをするなんて」
ドンジュは警官に言う。「この方を自由にしてください。好きにさせてあげて下さい」そしてドンジュは女に言う。「言い訳のしようがありません。後悔しています。恥じています。心からお詫びします」女はその場に泣き崩れた。
その様子を聞いていたキム・サブは思い立ったようにコートを着て病院を出て行く。キム・サブの行った先はコサン病院である。スタッフの静止を振り切り、キム・サブはト院長の部屋に押し入る。キム・サブは「話がある」と言うと、いきなり院長にパンチを食らわす。「何をする!」院長もパンチを繰り出すが、キム・サブにかわされて勢い余ってずっこける。(笑)
「トルダム病院には二度と来るな。私利私欲のために若者を利用するのもやめろ。カン・ドンジュとユン・ソジョンを振り回すな!」キム・サブは、ドンジュがゴミ箱に捨てた死亡診断書を院長の顔に叩きつけた。
トルダム病院の待合室では、悲しみに暮れる兵士の両親の姿。そこにドンジュが現れ、死亡診断書を手渡す。死因欄には「外因死」の文字があった。胸を叩いて泣きむせぶ母親。さらにドンジュは、手術の様子を記録したメモリーを渡して言った。「もしも証言が必要になれば僕に連絡を下さい」涙を流し嗚咽する母親。陰からドンジュに礼をする友人兵士。ドンジュは頷きながら微笑んだ。(これで良かったんだというドンジュの表情)
ドンジュのパソコンをのぞき込む外科長ソン・ヒョンチョル。死因欄に「外因死」と書かれているのを見つけてドンジュに詰め寄る。「お前、気は確かなのか?」
ドンジュは答える。「死亡診断書は遺族にしてあげられる最後の配慮だと教えられたんです」「ここに居れば少しは良い人になれるかと。トルダム病院はそういう所です」(ドンジュはトルダム病院に残る気持ちを固めたようだ)
キム・サブはシン理事長の自宅に行き、入院の日を告げた。「難しい手術ではないので、すぐに退院できるかと」(人工心臓のバッテリー交換手術らしい)
インボムの携帯に父のト院長から連絡が入る。「その手術にお前も加わるんだ」科が違うからと躊躇するインボムにト院長は「手術に加わる方法を考えろ。手術室の中のことをすべて報告せよ」と指示をする。
手術のスタッフを選考中のキム・サブの部屋をインボムが訪れる。「僕を助手にしてくれませんか?」キム・サブが「お前は一般外科だろう」と聞くと、「インターンの時、心臓移植を経験しました」続けて、心臓手術に関する経験を次々と話す。(本当かいな?)
キム・サブが言う。「お前が助手になればユン・ソジョンが外れる」それを聞いたインボムはそれでも「僕を入れてくれませんか?」
ソジョンもスタッフに加わろうと必死に準備をしているのであった。