浪漫ドクターキム・サブ-第4話「必要十分条件」

浪漫ドクター キム・サブ 浪漫ドクター キム・サブ

経緯を話そうとするドンジュとソジョンを振り向きもしないで、治療に専念するキム・サブ。
そこへカジノの厨房責任者が駆け込んできた。
大やけどを負ったヨンチョルを心配して駆け付けたのだ。続いてカジノの支配人らしき女性がやって来た。
「会長がキム・サブに会いたがっている」というのだ。
しかし、キム・サブは忙しいと言って取り合わない。自分の顔の傷を指差して、「この傷の治療費も請求するからな」と言った。
キム・サブはどうやらカジノの連中に痛めつけられたらしい。

(なぜ暴行を受けたのだろう?)

3時間前のこと、キム・サブはカジノに居た。様子のおかしい客にペットボトルの水を勧めたが、握り損ねて落としてしまった。
それを見ただけで、キム・サブは、この客は脳卒中だと判断し、店に救急車の手配を依頼する。

この一連の様子をテレビカメラで監視していた会長はじめカジノのスタッフ。

支配人の女がキム・サブを会長の所へ呼び出す。部屋に入った途端、男らがキム・サブに暴行を加える。

(なぜ?いきなりと疑問に感じる)

支配人の女が言う。
「会長の命令なのでお許しを」
会長はどうやら、キム・サブが悪徳医師で、カジノの客から大金を巻き揚げてると思い込んでるらしい。

キム・サブとのやり取りの中で会長が尋ねる。
「お前はそんなに優秀なのか?」
「聞いたところでは、死んだ者も生き返らせるらしいな?」
「私の下で働け」
「カジノの客を漁らずに私のもとで働け。金ならいくらでもやる」

(まさかキム・サブはカジノに患者になる人を探しに来てるのか!?)

会長は、キム・サブを懐柔するために厨房にステーキを注文させる。
そこで、料理人のヨンチョルがコンロに火を付けようとしたところ、ガス爆発を起こし、彼が大やけどを負ったというわけだ。

ガスが爆発したとき、キム・サブと会長の交渉は終わろうとしていた。
「会長の全財産をくれないと俺は買えませんよ!」
キム・サブが帰ろうとした矢先、厨房が火事だとの一報が‥‥。
キム・サブは火が燃え盛る厨房に入り、顔なじみらしい料理人たちを救い出す。

さて、病院では食中毒の患者等が手当を受けて帰っていく。
重度の熱傷患者はヘリで熱傷センターへ移送された。
院内が落ち着いたところで、ドンジュはキム・サブにソジョンに落ち度がないことを説明しようとする。
しかし、キム・サブはドンジュに対して、「お前は臆病者だ」と突き放す。
「ソジョンを巻き込んだのは、お前のためだろう」とまで言われた。
怒りに耐えるドンジュ。

(ここまで言うか?キム・サブ、と誰もが思うだろう)

行きかけたキム・サブの前に土下座して謝るソジョン。
しかし、キム・サブは無視して自分の部屋に帰ろうとする。
それを見たドンジュは堪忍袋の緒が切れて、キム・サブに殴りかかる。

(キム・サブの身のこなしの良いこと。ドンジュのパンチが全く当たらない(笑))

そして、ドンジュは叫ぶ。
「僕のことは何にも知らないくせに」
「年長者なら何を言ってもいいのか?」
「間違っている。勝手に僕のことを見下すな!」

キム・サブは言う。
「お前の言うことは正しい」
「俺はすべてを知ってるわけじゃない」
「だがこの年になれば見えてくるんだよ。こいつが本物か偽物か。将来があるか、ないか」

「僕は偽物だと言うのか」
完全切れたドンジュは、「今日こそケリをつけてやる」とばかり、再びキム・サブに殴りかかる。

このドタバタ劇に一人の個性的人物が登場。
看護師長のオ・ミョンシムである。
ものすごい迫力で「いい加減にしなさい!」と叫ぶ。
喧騒な場面は、一瞬にして静まり返った。

さすがのキム・サブも青ざめて「おっしゃるとおり」とばかり萎れた。
さらにキム・サブに向かって、ドンジュが今日どれだけ頑張ったか強烈に弁護した。また、ソジョンのことも正当に評価した。

これにはキム・サブもお手上げである。面白い展開だが、観ている方はスカッとする。
ドンジュじゃないが、つっかえていたものがキレイに取れた感じだ。
そして看護師長は、ソジョンの処分を強引に撤回させてしまった。
(看護師長は発言力があるんだな⁉)

このドラマ、剛と柔が入り交じって実に面白い。

コサン大学病院の同僚からドンジュに電話がかかる。
他病院の医師が外科科長と会っていたそうだ。どうやらドンジュの抜けた穴を埋めるためらしい。
「お前の居場所がなくなりそうだ」そのように同僚から言われたドンジュは退職願を持って院長らがいる部屋に向かう。
部屋の外には処分の結果を待つソジョンが‥‥。

院長等は処分を決めかねている様子。
キム・サブが看護師長のオ・ミョンシムの顔色を伺っている様子が面白い(笑)

その最中、ドンジュが退職願を持って部屋に入る。
そして、唐突に院長に退職願を叩きつける。

「僕はこの病院にはふさわしくありません。実力不足です。」

キム・サブがつぶやく。
「そのとおりだ」
医事課長が「本院に戻るまでは居てもらいたい」と説得するが、ドンジュは「他の病院を当たっています」と取り付く島がない。
キム・サブの「残っても問題を起こすだけだ」の一言で、返された退職願を再びテーブルに叩きつけるドンジュ。

最後に「こういう世界にしたのはあなたたち古い人間だ」
「僕のようにコネのない人間は卑屈にならなければ生き残れない」
「まともに生きていないのに説教などしないでください」
と言い残して部屋を出る。

全くドンジュは思っていることをズバッと言いのける。
心が震える感動の場面だ。

部屋の外で様子をうかがっていたソジョンにも他院への転職を促すドンジュ。
だが、ソジョンは、「あなたのように生きろと?患者より上司の顔色を伺い、出世することだけ考えろって?」
「最低ね」とドンジュの生き方を批判する。

医事課長が二人の仲を取りなそうとするが、決裂する。
本音でぶつかり合うのが、気持ちがいいし、面白い!
医事課長の役柄も最高!

そこへ車椅子で現れたのが、カジノの会長一行。
キム・サブに主治医を依頼しに来たのだ。
いきなりキム・サブの前で胸を開けて見せる会長。
体の中に機器を埋めて2年生きているのだという。
心臓移植の提供者が現れるまでの辛抱らしいが、いつまで待てばいいか分からない。
一番問題なのは、信頼できる医者がいないことだと会長は言う。

キム・サブ「信頼できる医者はたくさんいるでしょう?」
会長「しかし、本物の医者はいない」

真剣なやり取りをしていると、また例の医事課長が入ってきた。
「VIPの方にはお飲み物のサービスがございます」
何種類も入ったワゴンを転がして部屋に入ってきた。
みんな白けてる。(笑)

一方、ドンジュは病院を去る前にソジョンの部屋を訪れる。
ソジョンは気付いていたが、知らぬふり。
ソジョンのイヤホンを振りほどいてドンジュは言う。

「僕に会いたかった?」
「5年で一度も考えなかった?」
ソジョンは、5年前のいきさつを語り始めた。

「忙しくて考える暇もなかったんだ」と
ドンジュは失望して部屋から出ようとした。

ソジョンは言った。
「会いたかった」
それがソジョンの本音だと悟ったときに、彼女の携帯にキム・サブから部屋に来るようにと連絡が入った。

ドンジュが病院を去ろうとすると、看護師長が現れて「患者を一人診て欲しい」と頼まれた。
仕方がないとドンジュは応じる。

キム・サブの部屋では、ソジョンの面談が行われていた。
緊張の面持ちのソジョン。
が、キム・サブはおもむろにソジョンの手の傷の診察を始めた。
キム・サブはソジョンに聞いた。
「ここに残りたい理由を言え」

「先生から学びたい」

一方、ドンジュは患者の治療をしながら看護師長と話をする。
「キム・サブはいい医師ですか?最高の医師ですか?」

そのころ、コサン大学病院では、院長とカジノの会長(コサン大学病院の理事でもある)が会談していた。
会長は、主治医の選定を院長に依頼していたのだが断った。
「実はいい先生を見つけたんだ」

そこへ会長にキム・サブからの電話。
「最新の機器を揃えて欲しい」
そして、「手術するには他にもいろいろと最新の機器を揃えなければならない。かなり費用がかかります。」
キム・サブは「設備が整ったら手術日を決めましょう」と言って電話を切った。

このやり取りを横で聞いていた院長。
なぜ、こちらの提案を断ったのか不信を持つ院長。

「知りたいか?」と会長
「恐縮ですが理由を伺いたいです」と院長

会長は「あれを見せてやれ」と、ガジノの厨房火災のビデオを院長に見せる。
ビデオには料理人を助けようと火災現場に飛び込んだキム・サブの姿が映っていた。

「普通の医師はけが人を治療して終わりだが、この男は危険を顧みずに火の中に飛び込んだ」
「私が命を預けてもいいと思う本物の医師だ」

院長がキム・サブの顔を凝視する。
会長が言う。
「そう君も知っている男だ」

その頃、病院ではキム・サブとソジョンの面談が終わっていた。
オーダリー(雑務を担当するスタッフ)をするように言われたソジョンはショックを受ける。

さて、病院を辞めると言ったドンジュは、最後に頼まれた患者の蘇生を懸命に行っていた。
それを横から見守るキム・サブ。
蘇生は成功した。
次は股関節の脱臼を治さなければならない。だが、ドンジュは経験がない。
キム・サブはいとも簡単に一人で治してしまった。

キム・サブの高度な技術に驚くドンジュはキム・サブに再度尋ねた。
「いい医師か最高の医師か」
キム・サブは自身の信条を答える。

ドンジュはキム・サブの言葉を聞きながらハッとする。
そして、
「自分が変わらなきゃ何も変わらない」
というキム・サブの言葉で確信を持つ。

父親が亡くなったときに、自分を救ってくれたプ・ヨンジュ医師がかけてくれた言葉だと。

気付いたドンジュはキム・サブを追いかける。
「僕を救ってくれた、あの時のプ・ヨンジュ先生でしょう?」

だが、キム・サブは否定する。
しかし、ドンジュは確信した。
この人は間違いなくプ・ヨンジュ先生だと。

感動の再会でこの回は終わる。

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