キム・サブの正体。
それは、手術の成功率97%、神の手を持つ韓国で唯一のトリプルボード外科医、執刀してもらうために金持ちが押しかけた伝説の外科医であった。ところが、突然行方をくらましたそうである。
キム・サブの正体を突き止めようと、ドンジュは医事課長チャン・ギテに詰め寄る。
「キム・サブがプ・ヨンジュなら退職願を破って結構です」
するとドンジュの言葉に医事課長は破ってしまう。
一方、コサン大学病院院長ト・ユンワンはトルダム病院にプ・ヨンジュが居ることを知り焦りだし、ドンジュを利用しようと悪巧みをする。
サイクリングをしている数人の人々。
後ろから居眠り運転のトラックが突っ込み、リーダーを除く人々の列をなぎ倒す。
そのころ病院では、ソジョンとドンジュがキム・サブのことで話し合っていた。やはりキム・サブは伝説の医師プ・ヨンジュだということ。
しかも、病院のスタッフのほとんどはそのことを知っていたらしい。
病院に連絡が入る。
先ほどのサイクリングの事故で3名が死亡。残りの負傷者が搬送されるとのこと。
続々と負傷者が運ばれてきた。
辞めると言っていたドンジュが助手を申し出たが聞く耳を持たないキム・サブ。
他の医師を手配する。
(冷たいようだが、まあ当然だろう。さっきまで辞めると言っていたんだからキム・サブの対応は理解できる)
にもかかわらず、ドンジュはキム・サブの救命措置を憧れの眼差しで見つめている。
事故を起こしたトラックの運転手も同じトルダム病院に搬送された。しかも、被害者のベッドのすぐ横に。
目覚めた運転手は起こした事故の重大さに打ちひしがれる。
そこに軽症のリーダーがやってくる。
「お前は人殺しだ〜」と加害者に走り寄るが、救急隊員に取り押さえられる。
(気持ちは分かる。被害者と加害者がこんな近くで治療を受けてるなんて・・・田舎だから仕方がないか)
手術が必要な患者はまだ何人もいる。
キム・サブは重篤化が懸念されるトラック運転手の手術を。ドンジュもキム・サブから指名されたサイクリング被害者の手術を開始する。
外では、サイクリングのリーダーと医事課長らが話している。サイクリングは癌患者らのリハビリで行なっていたということ。
しかも、ドンジュが手術している患者は肝臓がんを患っていた。ドンジュは以前、肝臓がんの患者を手術で死なせたのだった。
手術中に肝臓がん患者だと気付いたドンジュ。以前、手術で失敗したことを思い出し、手が震える。
「出血が止まらない!救えるのは先生だけです!」
そのとき、キム・サブから携帯にアシストの声が入る。
「そこで諦めても誰も非難しない。しかし諦めたらずっと後悔することになる。人は失敗より後悔に苦しむものだ」
しかし、ドンジュは答える。
「自信がないんです」
キム・サブは言う。
「それなら縫合しろ」
涙を流しながら考え込むドンジュ。スタッフは必死に励ます。
そしてドンジュはついにガン患部の切除を決意し、手術を再開した。
キム・サブは続きの手術を助手に任せて、隣のドンジュが執刀している部屋に移る。
手伝おうかというキム・サブの言葉に、自分がやると言うドンジュ。
ドンジュの手さばきに、やれば出来るじゃないかという視線を送るキム・サブ。
手術の手順に助言を与えるキム・サブ。
ハッと気付くドンジュ。(さすが名医だというドンジュの視線を感じた)
キム・サブの助けで手術は成功した。
窓から手術室の様子を伺うソジョン。
(自分よりも先にキム・サブと手術が出来たドンジュを羨んでるな)
コサン大学病院では、外科長らが話をしている。院長に言われて、ドンジュを懐柔しに行こうというのだ。
手術後、ドンジュはキム・サブに尋ねた。「僕が諦めたらどうするつもりでしたか?」
キム・サブは「何もするつもりはなかった」と答えた。
さらにドンジュは、「それならなぜ僕を引き止めたんですか?」と聞いた。
(ドンジュは自分を引き止めるために、わざと以前に語った言葉をキム・サブが使ったのだと思い込んでいる)
この後の会話で手術の不手際を弁解しようとするドンジュ。
だが、キム・サブは「私のマネをするな。お前は原則主義なんだろう?」と言った。
「状況に合わせて変わるのはルールではなく、こじつけだ」
「俺に何かを期待するのは大間違いだぞ」とドンジュの姿勢を正す。
「態度をコロコロと変えるヤツは罵倒してやる」
と、ドンジュの変わり身の早さを批判する。
しゅんとして放心状態のドンジュの横に座り、ソジョンは語りかける。
「5年間、私ができなかったことをあなたはやり遂げた。合同手術を」
ドンジュはそれでもキム・サブを批判したが、ソジョンは言った。
「あれだけの名声ある人が名前を捨てて隠れているのは事情があるのよ」
部屋でキム・サブは過去を思い出していた。それは・・・
キム・サブは一人の医師に殴りかかっていた。それは現外科長ソン・ヒョンチョルだった。
「誰の指示で死なせたんだ!」と怒鳴るキム・サブ。
そこに、現院長のト・ユンワンが現れた。
同僚の医師であるヒョンジュは、「内科に移して薬物治療を行っていれば助かっていた」と語るキム・サブ。
しかし、ト・ユンワンはそうしなかったらしい。
その結果、同僚医師は亡くなってしまった。
しかも、同僚医師の手術を担当したのは、現外科長ソン・ヒョンチョルだということだ。
さらに、手術責任者名はキム・サブになっていたようだ。
どうやらキム・サブは、ト・ユンワンの罠にハメられたようだ。
お前が遺族に謝罪しろ!とト・ユンワンに怒鳴るキム・サブの後ろからト・ユンワンが罵る。
「お前を受け入れる病院は韓国のどこにもない。私が医学界から追放する」
トルダム病院に外科長ソン・ヒョンチョルと院長の息子のト・インボムたちがやってきた。電話で呼び出そうとするが、手術で疲れて眠るドンジュ。
外科長らが会いに来ていることを知ったドンジュだが、忙しいと取り合わない。
一方、ト・インボムはソジョンに会うのが目的で付いてきたらしい。
ソジョンを見つけたト・インボムは、彼女に対して「ぶっ飛んだクジラ」を知ってるかと聞いた。ハッとするソジョン。
そのニックネームは自分のことだからだ。
そして、それは自分だと言った。
そこに来たのがドンジュ。
ト・インボムの正体を語る。
「ト・ユンワン院長はこいつの父親です」
駐車場ではキム・サブが外課長になぜここに来たのか、理由を問い詰めていた。
そして、手術を依頼してきたカジノの会長は、コサンの財団理事長シンであることを知る。
「院長の再任を決めるのは、決定権を持っているシン会長」であることまで知る。
「その手術は断ってください」
聞いたキム・サブは苦笑いを浮かべながら「なんてこった。最悪だ」とつぶやく。