次の段階の手術に備えて待機するドンジュとインボムも、窓越しにキム・サブらの手術を見守っていた。
すると、そこにウ・ヨナが来て、「急患を診ていただけますか?」と。すぐに手術が必要な患者のようだ。しかし、1時間後には会長の手術に入らなければならない。
インボムが患者の様子を診に行く。すぐに手術が必要だと判断したインボム。ドンジュの見立てでは、会長の手術に入るまでに1時間20分の時間があると言う。その間に、急患の手術を終わらせようというのだ。
ドンジュはキム・サブの居る手術室のスタッフに電話して、10分おきに状況を伝えるように依頼する。
ドンジュが急患の開腹手術を開始した。(2つの手術室でキム・サブとドンジュが手際良く手術を進行させる様子はカッコイイ!)
モニターを見つめる医師たちは、キム・サブのスピーディな手さばきに驚嘆の声を上げる。
一方、ドンジュの手術の手さばきにも、インボムやスタッフたちは驚く。キム・サブとドンジュによる手術の競演である。「カット!」の声が両方の手術室で心地よく響く。
いよいよドンジュとインボムの出番の時間が近づく。時間ギリギリで急患の手術を終えた二人は、会長の手術室に入る。キム・サブと交代した二人は人工心臓のバッテリーとコントローラーの交換手術に取り掛かる。
医師たちとモニターを観ていたオ・ソンジェ記者は立ち上がり、医事課長にトイレの場所を聞く。しかし、目的は別にあるようだ。キム・サブの部屋を見つけた記者は、机の上の書類の写真を撮りまくる。そして、キャビネットの中の書類に目を付ける。
一方、ドンジュとインボムは、予定時間よりも2分短縮させて、担当の手術を終えた。手術は再度キム・サブに交代する。「さあ、今からノンストップだ!」キム・サブがスタッフたちを鼓舞する。キム・サブの驚異的な手術の映像に驚愕する医師たちの所に記者が戻ってきた。
医師チーム長の外科医が「ありえません」と言った。すかさず、ト院長が「何か問題を発見したか?」「ではなく、すべてが定石どおりです。ただ異常なのは・・・」「すべてが早すぎるのです」そして「あまりにも完璧です」ト院長の表情が苦虫を噛み潰したように変化する。(笑)
手術室では、キム・サブがソジョンに言う。「お前が初めて交換した人工心臓だ」スタッフたちも微笑む。
その後、止血と縫合手術が2時間続いた。手術に要した時間は6時間2分。キム・サブと手をたたき合って喜ぶスタッフたち。手術室の外では拳を合わせて喜ぶドンジュとインボムが居た。そして、モニターの前では、称賛の表情の医師たちに混じって、悔しさに顔がこわばるト院長の姿が・・・。
術後の経過も順調で、麻酔が切れて目覚めるまで半日程度要するようだ。会長の娘が駆けつけた。そばにはト院長もいる。手術は成功したにも関わらず、院長は難癖をつける。「大動脈を傷つけたな」「脳酸素飽和度が40%以下に落ちてたな」(子供みたいな奴で笑える)
逆にキム・サブから逆襲される。「意識が戻らないように願掛けでもしたらどうだ」これにはト院長も焦った。(笑)「私は会長を心配して言ってるんだ」キム・サブは余裕の笑顔で「そうですか」の一言。キム・サブが去った後に「私は会長のことを思って・・・」と娘に弁解するト院長。(笑)格の違いを見せつける。
手術に疲れて休憩しているキム・サブのところに医事課長とオ・ソンジェ記者が現れた。「チャンさんの件以来ですね」オ・ソンジェ記者は言った。二人は知り合いらしい。しかし、キム・サブは「チャン室長、そいつと出ていってくれ」と拒否する。なおもキム・サブは「お前みたいなクズ記者は嫌いだ」記者も言い返す。「代理手術で患者を死なせるよりマシだと思うが」キム・サブは「お前の書いた記事で死んでいった者もいる」記者「逃げないで真実を話したらいい」キム・サブ「真実?世間に伝える勇気はあるのか?」
キム・サブは、ト院長の言いなりに嘘の記事を書いた記者を軽蔑しているらしい。
一方、ソジョンはト院長にトルダム病院の一室に呼び出された。コサン病院の胸部外科医と引き合わせるためだ。会長の手術を褒め、我が子のようにかわいがってきたと話すト院長。ソウルに戻り、この外科医のもとで仕事しないかと。しかも、この独身の外科医と交際まで勧める。その話を外で聞いていたドンジュは、たまらずドアをノックして中に入り「キム・サブが探していますよ。急用みたいです」と嘘を付く。(笑)
院長室では、ヨ・ウニョン院長、医事課長、看護師長が話し合っていた。オ・ソンジェ記者がキム・サブの過去を暴くというのだ。突然、ヨ・ウニョン院長が立ち上がり、急用があると言って出掛けた。
フリーの麻酔医ナム・ドイルが経営する食堂でドイルと看護師長オ・ミョンシムが話をしている。「無実なのにキム・サブは何故真実を語らないんでしょうか?」のミョンシムの問いかけにドイルは「プ・ヨンジュという男は昔から頑固で融通が利かない。チャン・ヒョンジュの死に責任を感じてるようです」「コサン病院の医師たちが責任をなすりつけた」二人は真実をよく知っているようである。そしてドイルは言った。「キム・サブが真実のことを言わないのは、ある子供のためです。これ以上は言えない」二人の会話をそばで聞いている一人の客がいた。例の記者オ・ソンジェである。
ドンジュが尿路結石の疑いがある患者の治療をしている所へキム・サブが来て尋ねた。「穿孔性腫瘍の手術はお前が?」(会長の手術中に別の患者の手術をインボムと一緒にした件である)てっきりキム・サブから叱られると思ったドンジュは謝った。「すみません。敗血症の恐れがあり僕の判断でやりました」ところがキム・サブは「よくやった」と褒めた。「えっ」と意外そうな顔をするドンジュ。が、嬉しそうに笑みをこぼす。キム・サブもにこやかにその場を去る。
バーでは、ト院長とオ・ソンジェ記者が密談をしている。記者がキム・サブの部屋で盗撮した資料を見せて、「それがトルダム病院でやりたいことでは?」とト院長に問いかける。ト院長は「これがプ・ヨンジュの夢なのか。話にならないな」しかし記者は言う。「手術が成功すれば、シン会長はプ・ヨンジュに協力するでしょう」ト院長はその言葉を否定する。(院長は何を悪巧みしているのか?)
会長の病室では、キム・サブとソジョンが会長の意識が戻らないことを心配している。術後9時間経過したようだ。娘のシン・ヒョンジョンにもそのことは伝わった。19時間経過した頃、娘が到着した。「12時間以内と言ったのに何故目覚めないんですか!」キム・サブは「稀にこのようなケースはあります。2,3日待ちましょう」
そこにト院長が押しかけた。そして、「脳に異常があるかもしれないからCTを撮れ」と無理難題なことを主張する。キム・サブは呆れた表情で「主治医は私だ。合計10本の管が繋がっている。万が一の事があれば責任を取れるのか?」だが、院長は「肺がん末期の会長に危険な手術を行なう理由は何か?」と問う。
そして、「これを成し遂げるためだろう」と記者が盗撮した資料を振り散らかす。そして、「この分院に集まったのは、訴訟中の麻酔医、本院を追われた若手、PTSD歴のある救急専門医、大学病院を見たこともない地方のスタッフ。こんな烏合の衆と外傷専門病院を作るだと?」と周りにいるスタッフたちを侮辱した。キム・サブの顔が怒りに震える。
そして、ト院長はさらに「お前から主治医の権限を剥奪する。シム科長、今日から君が主治医だ。直ちにCT検査を行え」シム科長が病室に入ろうとすると、キム・サブが怪訝そうな顔で「消毒は?」そして「その格好で集中治療室に入るつもりか?」と言い、巨漢のミスタークーを呼び、「私が許可した者以外は誰も中に入れるな」と言い付ける。「特にあんたとあんたはお断りだ」とト院長とシム科長を指差した。(さすがキム・サブ。こんな場面でも物怖じしない)
「どういうつもりだ」ト院長が叫ぶ。キム・サブは屹然と答える。「主治医として患者を守るためだ」そして、会長の直筆の委任状を見せる。(よくそんなものをポケットに入れてたものだ。用意周到のキム・サブ(笑))「手術後の処置について決める権限は俺にある」キム・サブの予期しない行動に一瞬言葉を失った院長は「私は本院の院長だぞ。断じて許さん!」と切れ出した。(笑)「公証も受けてある。この紙切れは法的な効力を持つということだ」
同意を求められた会長の秘書は、顧問弁護士を通じて公証を受けたことを明言した。キム・サブの最後の言葉「だから妨害せずに失せろ」院長はキム・サブの顔を睨みつけて退散した。(笑)
娘は秘書に確認した。「何故止めなかったの?」秘書は「会長も私もキム・サブを信頼しています」「万が一の事があれば覚悟しなさい」娘はそう言い捨てて病院を出て行った。
喫茶店でオ・ソンジェ記者が記事を書いている。キム・サブが担当した会長の意識が戻らないという中傷記事である。記者の手が止まった。麻酔医ナム・ドイルの店で聞いたドイルと看護師長の会話を思い出したからだ。記者はキム・サブに電話した。「私が真実を明かす勇気があるなら話してくれますか?」